
本尊の閻魔大王座像(国指定重要文化財) 







秋に見頃を迎える金木犀と、初夏の紫陽花の名所としても有名 
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建長二年(1250年)に彫像された、仏師「運慶」作と伝わる「閻魔(えんま)大王(国指定重要文化財)」を本尊とする臨済宗建長寺派の寺院。建長寺開山大覚禅師の弟子で、建長寺第九世の知覚禅師により開山。亡者が冥界において出合う「十王」が祀られていることから、閻魔堂や十王堂と呼ばれている。
創建当初は見越嶽にあったが、鎌倉幕府滅亡後足利尊氏が由比ヶ浜に移築し、江戸時代・元禄十六年(1703年)の大地震後に 現在の地に移った。
また、十王が祀られている荘厳な雰囲気の本堂で抹茶を味わうこともできる(料金別途・不定休)。
さらに境内には、こだわりのスペシャリティコーヒーが味わえる専門店「龍華珈琲」も!
閻魔大王と十王思想
閻魔大王とは、人が死後に冥界で出合う「十王」の一人。古代インドの聖典『リグ・ヴェーダ』の神話で、人類史上最初に死んだ人間で、死後楽園の主になった「ヤマ」として描かれたのが最古の記述。そのインドの「ヤマ」が仏教とともに中国に伝わって「エンマ」となり、道教の影響を受け、閻魔大王を中心とした「十王思想」が生まれた。
中国から日本に伝播した「十王思想」は、室町時代に「十三仏信仰」になり、日本仏教独自の宗教を越えた葬儀・法要の元になっている。円応寺の「十王」は、鎌倉時代に中国から伝わった「十王思想」を彫像したもの。
本尊・閻魔大王の縁起
運慶が頓死して閻魔大王の前に引き出された際、「汝は生前の慳貪心(物惜しみし、欲深いこと)の罪により、地獄に落ちるべきところであるが、もし汝が我が姿を彫像し、その像を見た人々が悪行を成さず、善縁に趣くのであれば、汝を裟婆に戻してやろう。」と言われ、現世に生き返された。その後運慶が彫刻したものが円応寺本尊の「閻魔大王」だと伝わっている。
運慶は生き返ったことを喜び、笑いながら彫像したため閻魔様のお顔も笑っているように見え、古来「笑い閻魔」と呼ばれている。 また、山賊から守るために赤ちゃんを飲み込み、その赤ちゃんが無事に成長した伝承から、「子喰い閻魔」や「子育て閻魔」とも呼ばれている。