
今年は、泉鏡花生誕150年、そして鏡花の師・尾崎紅葉の没後120年にあたる。
挿絵画家を目指していた若かりし日の鏑木清方が、世に出るきっかけとなったのは、劇評家や小説家たちとの出会いだった。特に文豪・尾崎紅葉の門弟・山岸荷葉との出会いにより、彼の小説に挿絵を寄せることとなり、紅葉の知遇を得るようにもなる。後に紅葉の代表作「続編 金色夜叉」の挿絵を手がけるなど、挿絵画家として注目されるようになった。
また、二十三歳のときに、かねてより憧れていた泉鏡花と知り合い、以降鏡花の小説に数々の挿絵を寄せた。小説家と挿絵画家の名コンビぶりは、「鏡花作、清方ゑがく」と讃えられ、現代でも美麗な鏡花本が高く評価されている。
文学者たちとの出会いは、挿絵画家としての活動を豊かなものにしただけでなく、文学性豊かな清方芸術を生み出す原点ともなった。晩年まで紅葉を敬愛し、鏡花文学を愛した清方は、紡がれた物語に取材した日本画作品を数多く描いた。
本展では、初期の代表作《一葉女史の墓》や鏡花の小説世界を描いた作品など、尾崎紅葉と泉鏡花を中心とした明治の文学者たちと清方との関わりとともに、清方が描いた美麗な挿絵や日本画作品を紹介する。
作品目録
《金色夜叉の絵看板》・明治38年(1905)頃・当館蔵
《一葉女史の墓》・明治35年(1902)・当館蔵
泉鏡花著『薄紅梅』木版口絵 ・昭和14年(1939)・当館蔵
尾崎紅葉原著『金色夜叉絵巻』 木版口絵・ 明治45年(1912)・当館蔵
約50点
関連事業
展示解説
学芸員による展示解説を開催。
日時:第2・第4土曜日 13:30~
日本画ワークショップ (予約制)
日本画材を使って、絵を描こう!初心者でも楽しめるワークショップ。
期間:2023年9月24日(日) ①13:00~14:30 ②15:00~16:30
開催日 | 2023年9月14日(木)2023年10月18日(水) |
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会場 | |
所在地 | 神奈川県鎌倉市雪ノ下1-5-25 |
アクセス | 「鎌倉」駅から徒歩7分 |
TEL | 0467-23-6405 |
ホームページ | http://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/ |
開館時間 | 9:30~17:00 (入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日[9月18日、10月9日(月・祝)は開館]、10月10日(火) |
観覧料 | 〔一般〕450円、〔小・中学生〕220円 |
駐車場 | 無し |
支払い |
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更新日 : 2023.08.25