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小田原・箱根イベント情報

2018年7月22日(日)〜12月2日(日)

ルドン ひらかれた夢 ―幻想の世紀末から現代へ

19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスで活動したオディロン・ルドンのコレクション101点を展示する作品展。
神秘的なヴィジョンに満ちた幻想的な世界や不気味な怪物たちが蠢く光景を描き出したルドンはその作風から「孤高の画家」と捉えられてきた。 そんな彼の幻想の源泉を探り、謎に包まれたルドン像を明らかにする。

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【オディロン・ルドン(1840年、フランス、ボルドー生まれ)】

幼少期をボルドー近郊のペイルルバードで過ごす。
39歳にして版画集『夢のなかで』でデビューし、同時代の文学者・批評家に高い評価を受け、精神性を重んじる「象徴主義」を代表する芸術家として人気を博した。1890年頃からは徐々に版画やモノクロームの素描から離れ、パステル技法から得たあざやかな色彩を用いて幻想的な花や神秘的な場面を描いた。

*激動の世紀末を戦略的に生き抜いた画家、ルドン
自伝のなかでルドンは、自身の幻想世界は、家族から離れて暮らした孤独な少年時代に、夢や幻視から生み出したものであると語り、自らの独創性、孤高性を強調している。こうした資料からは、印象派などの同時代を生きるライバルたちとの関係の中で、芸術家としての自らの見え方をも意識し、戦略的に生き抜こうとしていた姿勢がうかがえる。

*ルドンのエピソード ―世に認められるためのさまざまな努力
ルドンは人々に認められるために、まず作品を影響力の強い詩人・美術批評家に送った。 その結果、美術雑誌などで作品が紹介され、版画家としての人気を確立していく。しかし、まだまだ版画はマイナーな分野。そこで友人の詩人や美術批評家に頼んで自分の作品をフランス政府に購入してもらおうと画策した。何度か断られたが決して諦めず、ついに1904年に《眼を閉じて》(1890年、オルセー美術館蔵)が国家買い上げとなり、ルドンは国民的な芸術家として認められた。

*ルドンをめぐる資料
近年の研究では、ルドンの制作のプロセスや着想源がわかってきたことで、ルドンが演出しようとした「孤高の画家」とは異なる、ルドンの姿が明らかになってきている。 更に、ルドンの歿後に長らく伏せられていた手記や手紙なども新たに公開されている。このなかにはルドン自身が付けた作品名を記した売買記録など、作品の正確な主題や制作年代を特定できる資料も含まれている。 ポーラ美術館収蔵の《静物、花と果物》もこうした資料により、1908年頃の制作であることがわかった。